Photoshopで水彩画をカンタンに描くポイント

水彩の柔らかい風合いって、ステキですよね。
絵の具をつけて、水でぼかしたり滲ませたりして、スケッチやイラストを仕上げたり。

手描きならではの味わいがあると思いますが、データで作りたい!と思ったら、ひとつの方法は、手描きのものを取り込むこと。
でも、この塗りがパソコンを使ってできたらなぁ、と思いませんか?
ここではパソコンとペンタブレットを使って、水彩画を仕上げるカンタンな方法を紹介したいと思います。

ブラシを制すること!

手描きで水彩画を描ける人は、パソコンを使っても、水彩画を仕上げることはカンタンにできるようになるはずです。
水彩を描くとき、どんなことに気をつけていますか?絵の具の混ぜ方、筆や紙の選び方…そして、水の加減にも気をつけると思います。
水彩でポイントになるのが、水の調節
どの分量を筆に染み込ませるか、絵の具とどう混ぜていくのか、その加減が、水彩の塗りの質を変えていきますよね。

この水の分量が、Photoshopではブラシの設定に当てはまります。
描画ソフトによって、水の設定は違ってきますが、Photoshopではどういう設定になるのか、見ていきましょう。

Photoshopで使うブラシはこれ!

ブラシツールとは、Photoshopで使う絵筆のようなもの。
ひとつでエアブラシやパレットブラシなど、様々なブラシを再現することができます。
ほかにも鉛筆ツール、色の置き換えツール、混合ブラシなどがあります。

ここからは、ブラシツールにポイントを置いて説明していきます。
水彩塗りをする際には、鉛筆ツールは硬いので適しません。
ブラシツールは、柔らかくて、ボカシの効果もキレイに表現できます。

左がブラシツールのエアブラシでボカシを描いたもの、右が鉛筆ツールのエアブラシで描いたもの。鉛筆ツールには、ボカシ効果が適用されません。
Photoshopのバージョンによって、ブラシは変わってきますが、CS6以上になると、水彩ブラシがブラシプリセットの中にあるので、基本は水彩ブラシで水彩画は塗れます。

便利さを不便にするのもひとつ

水彩ブラシをそのまま使っても、思い描く水彩画はなかなか描けません。
設定そのままの状態で塗っていくのでは、いつでも同じ水の分量、同じ絵の具の分量で、ベタベタ塗っていく、という感じになってしまうからです。
そういう画風もひとつかと思いますが、風景画を描くのに、奥は薄く手前は濃く、といった遠近感を、絵の具の色だけで調節していくのは大変ですよね。

手描きの場合、どんなに絵の具の種類を増やしたとしても、個人で所有できる数には限りがでてくるものです。
限られた色数の中で、水分量や絵の具を混ぜて使うことで、微妙な色の変化をつけていくのが手塗り水彩に対し、デジタル着彩の場合、色数は数字によって一色一色生み出されています。
カラースウォッチを使って、同じ色の濃淡を使い分けても、色が膨大すぎて混乱してしまったり、差異は出てきてしまうもの。
この部分が、デジタル水彩画の違和感のひとつです。

デジタル着彩の初歩の段階ではとくに、小学生の頃を思い出して、使う色を12色にするなど、色数に制限をかけて塗るのも、調和のとれた水彩画を描くポイントになります。

筆圧・不透明度・流量を使いこなそう!

色数に制限をかけたら、ひとつの色で、濃さを調節することが大切になってきます。
そこで必要になってくるのが、筆圧の設定です。
水の分量や、絵の具の濃さといった、手描きの微妙な風合いを、筆圧によって表現してくれます。

ペンタブレットには、この筆圧量を変える設定があります。:システム環境設定参照
ご自身の描きやすい設定にして頂けますので、筆圧の強弱を設定してから、水彩を描いていくのが良いと思います。

筆圧の設定は、ブラシツール使用時も、バーに表示されます。(CS6以上)描き方によって、筆圧の有無を選択しましょう。

さらに、アナログの水彩塗りに近づけるために、不透明度・流量の設定を変えましょう。
不透明度とは、不透明水彩のように、塗ったときに下の色の上に色を重ねることができるか、透明水彩のように下の色が透けるか、という透明度の値のことです。100%に近くなるほど、不透明になっていきます。
また流量とは、絵の具の量が多いか少ないかの値です。

まずは50%あたりで試してみて、お好みで調節してみてください。
流量は、選んだブラシによっては、あまり反映されないこともあります。
筆圧・不透明度・流量の設定を調節するだけで、水彩ブラシの表現はグッと変わると思います。

いかがでしたでしょうか。
今回はブラシツールの水彩ブラシの設定を変えて、水彩塗りをしてみると、カンタンに水彩画が描ける!というポイントをまとめてみました。
水彩画に近くなってきたら、紙の設定を加えたり、より高度なブラシ設定にチャレンジしてみてくださいね。